Sigmar Polke

ドイツの芸術家、ジグマー・ポルケ。

シグマー・ポルケは1960年代から活躍をはじめ、写真やアメリカン・ポップアートを制作に取り入れながら、網点ドットによる絵画、カンヴァスの代わりにプリント布地や透明な支持体に描いた絵画など、つぎつぎと実験的な手法を開拓してきた、現代絵画界の重鎮。

 

「不思議の国のアリス」1971年

 

その作品群は「実験的」。
ポップアートのようですが、ウォーホルやリキテンシュタインと違い、
ドットや図像はシルクスクリーンではなく手描きされてる。

アメリカでポップアートが流行した頃の風潮はなんでもありだった。
「どれだけ質が高いかではなく、どれだけ高く売れるか」と
ヘンリー・ゲルツァーラーも言っていた。

しかし同じ時代を進んだとはいえ、ニューヨークとドイツの違いか、
ドイツの作家には“軽さ”がない。

 

 

ミクストメディアであっても、ポップアート的な商業ベースな匂いや、メディアやカルチャーとの関わりもない。 芸術的。

こういう堅苦しさというか、芸術観が好きです。

シグマー・ポルケは、
1986年の「ヴェネツィア・ビエンナーレ」で金獅子賞を受賞。
2002年には「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞。

 

 

1963年、ポルケは社会主義リアリズム(東側諸国の公式芸術)ならぬ「資本主義リアリズム」(Kapitalistischer Realismus)と題した絵画運動を、同じく東ドイツからの亡命者であるゲルハルト・リヒターや、画商コンラート・フィッシャー(コンラート・リューク Konrad Lueg の名で作家活動も行っていた)らと立ちあげた。これはあちこちにあふれる印刷媒体から写真や広告のイラストなどを盗用した具象絵画であり、当時の西側の抽象表現主義絵画への反抗であると同時に東側の社会主義リアリズムの写実主義絵画のパロディでもあり、西側資本主義の消費に支配される社会や芸術に対しても言及したものであった。この三人にマンフレート・クットナー(Manfred Kuttner)を加えたメンバーで、デュッセルドルフの空き店舗で「Demonstrative Ausstellung」(ポップと生きる:資本主義リアリズムのためのデモンストレーション)と題した展覧会も開いている。

価値観が変化しつつあった当時の社会で、ポルケは自らの想像力や冷笑的なウイットを鮮やかに表現し、ドローイングや水彩やガッシュに対して破壊的なアプローチを試みた。ポルケはこの当時、印刷物の写真の網点をそのまま絵画の画面に拡大転写する手法を用いて注目され始め、絵や模様がプリントされた布地の上に絵を描く布地絵画も制作し始めた。彼はポップアートからは若干の距離を置き、無名の室内を描いたスナップ写真のようなイメージ、ゲーテ全集のようなドイツ社会の教養を象徴するイメージ、椰子やフラミンゴなど南国でのバカンスを連想させるキッチュなイメージなどを選んでいる。こうしたイメージには、戦後ドイツの消費社会、政治社会、因習的な文化に対するユーモラスかつ容赦ないポルケの見方が埋め込まれている。

彼は「錬金術的」とも評された、化学的知識を応用した絵具制作手法や、社会にあふれるイメージや素材を思いもよらない方法で結びつける手法で、アナーキーな絵画制作を行って評価を得ている。伝統的な絵具や素材にこだわらず、特定の様式にも忠義を示すことはなかった。一つの作品の中で、透明なシートや家庭用のプリント布地をキャンバス代わりにし、油彩、ラッカー、金属粉を混ぜ合わせた顔料、シルクスクリーンでイメージを描き込むようなこともまれなことではなかった。

(wikiより抜粋)

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